「ゲームが好き」

当社ソノリテでは、代表取締役である私が、採用活動の先陣を切ります。


つまり採用候補者、採用希望者とは、新卒でも転職でも、まず私が合います。私が合ってから、(必要が生じたら)他の社員に合ってもらいます。


合ってもらう社員は私が(候補者と相談して)決めます。


それは何故か(なぜ他社のように人事などが一時面談した後、経営者が最終面談をするような方法をとらないのか?)・・・については、機会があれば別途書きますが


今日は、採用の局面で、最近の20代の人とお話をしていて、感じていることを書きます。


最近の20代の人は、ほぼ、必ず


「好きなものは何ですか?」と問うと、必ず好きな物の中に「ゲーム」が含まれます。


ですから採用の為にお話し(当社では面談という言葉は使いません)をしている時

 

 齋:「好きなものは何ですか?」

 若:「ゲームです」

 

という会話に、よく成ります。


世代的に、それが当たり前なんだと思います。

 


かく言う私は、昭和42年産まれの47歳(平成26年12月現在)


初代ファミコンは昭和58年に産まれたようなので、私が16歳の年ですね。


ですから私だって、学生時代、ファミコンをやっています。ただ、小中学生の頃には、ゲーム機はありませんでした。

インベーダーゲームが流行したのが・・・中学生くらいだったかな)


子供の頃の日常の楽しみは・・・ゲームというよりは、テレビ(テレビアニメやお笑い番組など)でしたね。


だから私は・・・もっぱら「テレビっ子」という世代なんでしょうかね


で、そんな僕から見ると、今の20代以下は、言うなれば皆「ゲームっ子」


「ゲームっ子」の文化としては、小学生の頃からゲームボーイなどの携帯ゲーム機で遊んだり、友達の家でプレステなどの家庭用ゲーム機で遊ぶのが基本的な姿なんじゃないかと思いますから


好きな物の中に「ゲーム」があるのは、当たり前ですよね


私自体はゲームをそれほどやりませんが、ゲーム文化を否定するような気持ちもありません。


だから、今時世代の好きなものが「ゲーム」なのは、良いんです。だって私自身にとっての「テレビ」なんじゃないかな?って思うから。

 

でも私、ちょっと、違和感があるのが・・・


「好きな物は何ですか?」と聞いて、「ゲーム」と答えるのって


なんというか


「好きな食べ物は何ですか?」と聞かれて、「美味しいもの」と答えるのに、近いなって、感じがするんですよね


ゲームの凄い所って、大抵の人が、楽しめるように出来ているところですよね?


 ・時間をかければ、プレイヤーが成長して、強くなるようになっていたり

 ・適切なタイミングで、イベントや謎解きが組み込まれていたり

 ・入門、中級、上級モードが選べたり


「楽しさ」をとことん突き詰めていて、かつ、あまり肉体的な優劣がかかわらないようなコントロールで、脳のみを刺激していくもの。ですよね。


いっちゃえば、ゲームって楽しいにきまってる(いやそりゃもちろん、クソゲーも、いっぱいあるでしょうが)


だから私は、

 「好きな物は何ですか?」「ゲーム」

 「なぜゲームが好きなの?」「楽しいから」


という問答には、何の価値も見いだせないなぁと思うんですよね。

 

ではここで


なぜここで、「好きな物」の話をしているか?という事に、そもそも戻って考えたいのですが


考えるためにちょっと思考実験


皆さん、初めてであった異性(好みのタイプ)と、初めてお話しする時のことを想像してください。


「XXさんは、何が好き?」


って、聞きますよね?


この時、なぜ「好きな物」を聞くのか?というと、たぶん理由はいくつかあって


 ・同じものが好きだったら、仲良くなりやすいかもしれない

 ・自分が嫌いなものを相手が好きだったら、仲良くなれないかもしれない

 ・好きなものがわかれば、楽しいデートや、喜ばれるプレゼントを考えやすい


という、表層上の理由と


 ・その人の、趣味嗜好から、その人の性格を理解する(理解したい)


という深層上の理由があると思うのですね


(読書が好きなんだ。けっこう難しい本を読んでいるらしい。私より頭がいいかな?)

(スポーツが好きなんだ。外交的なのかな?自分は内向的だから、性格があわないかな?)


などと、「好きな物」を聞いてから、相手の性格を推測したりすると思うんです。


それに、


人間って面白いなぁと思うのですが、


 例えば、音楽のXXXというジャンルが好き だとか

 例えば、画家のXXXという人の描く絵が好き だとか

 例えば、アンティーク食器メーカーXXXが好き だとか

 

そういう「好き」っていうのは、その人の個性、特に外面的に「こういう文化圏に属したい」という欲求項目であったりするわけですよね。


洋服、ファッションと同じだと思うんです。言うなれば自分を着飾るもの。


ですから「何が好き?」という質問には、「その人の深層を知りたい」という要求もあれば、「これが好き」と答える側にも、「私と言う人間は、こういう美学を持っています」というような、主張が欲しいんです。

 

私は男性ですので、異性として、女性の例を出させてもらいますと


私が女性に、「何が好き」と聞いて、その女性が「吉○家の牛丼が好き!」と、言ったとしましょう。


私はこの女性が「牛丼が好物である」という表層上の情報を得たというよりも、この女性は「親しみやすい、気さくな性格である」というような、深層の情報を得た、と考えますね。

 

ここで整理


 「好きな物」には


  ・楽しさ、嬉しさ、などの好感情をもたらしてくれるもの

  ・なりたい自分を演出するためのツール


の、2種類があります。

 

したがって、「好きな物」を聞いている人には


  ・対象が、好感情をいだくもの

  ・対象が、自己表現したい分野


の2種を同時に、あるいはどちらかを、知りたいという目的があります。


ということを考えたうえで、例えば「ゲーム」が対象に対し、好感情をもたらすものであるなどという事は、基本的に既知の事実であるわけですから、


誰かとシンクロしたい、あるいは自己表現したいと考えている場合、自分の数多ある「好きな物」の中から、


 ・自分が成りたい分野に対して自己表現として適切な物


を選ぶべきであって

 

それにゲームという選択が適切かどうかを、判断してくれると良いのではないかと思います。