2015年10月より、弊社ソノリテは第七期に入りました。
私は第三期(厳密には第二期の後半)からこの会社の社長をしておりますので、私自身は社長業五年目に突入といった所ですね
私がソノリテの社長になった時には、ある会社の100%子会社で、正社員が8名、本当に小さな会社でした。
現在は独立会社となり、社員数50名を超え、「それなりに会社らしくなってきた」と言った所でしょうか
4年間で8名から50名へ、と言うと、その成長速度を褒めてくれる方もいらっしゃるのですが、まだまだこれから
もちろん社員数だけが会社の成長ではありませんが、一つの目安として、出来るだけ最短距離で、社員数は100名を越したいと考えています。
ところでなぜ社員数を増やしたい、と考えるか? ですが
「お仕事があるから社員数が必要」
とか
「人数が居た方が、競合他社に対して競争力が強まる」
というのが、普通の考えかたかも知れないのですが、私の場合は
「多様性を高めたいので、会社を大きくしたい」
と、考えています。
「多様性」
と言うと、また、流行言葉を持ってきた安直な発言に思われるかも知れないのですが
私は「株式会社ソノリテ」の重要なコンピテンシ、言うなれば企業の個性として「多様性」というモノに力を入れて行きたいと、強く思っています。
「多様性組織は、変化に強い」
だ、などと、言いますが
それらはみな、「企業存続」や「企業戦略」という観点において、方法論としての「多様性」なんだと思うんですけれど
我々ソノリテの企業理念は
「社員の成長」
企業理念に「顧客指向」「顧客の為」「顧客第一」などと謳う企業は多いと思うのですが、我々の企業は「社員の成長」
私は、私の会社である株式会社ソノリテは、「社員が成長」することを目的に活動している会社ですので、私は「社員の成長」の為に、多様性が必要だと考えています。
これは、極めて、わかりやすい考え方のハズ
例えばですね、先日ある「ダイバーシティ推進セミナー」のようなものに参加し、国籍の多様性やジェンダーフリーに取り組んでいる企業の人達の「本音」を聞いたんですが
「(多様性組織って)ハッキリ言って、面倒くさい」
んだと思うんですよね。そう、言っていました
組織ですから同質性が担保された仲間うちで、何か仕事をしていく方が、らくに決まってるんです。「あうんの呼吸」で仕事出来ますから。
らくに仕事出来た方が、お客様に対して「らくに」サービスが出来ますよね?
だから無理に「多様性」に踏み出す必要などない。「多様性」とはお客様からみて企業のエゴだと言って良い様に思うのです。
現に我々「株式会社ソノリテ」の多様性志向についても、お客様や関係企業からしばしば疎んじられて見られる現実も有ります
・「B2BのIT企業なんだから、XXなタイプの社員がいるべきだ」
・「うちの会社に出入りするのに、髪の色はXXX」
・「ソノリテの社員は社会の常識が通じないから、心配だ」
極端に言えば、そのような声が、聞こえます
私は、提供しているサービスがしっかりしておりさえすれば、個人的主張や個人的趣味嗜好における考え方や表現について、「とやかや言われる筋合いではない」と思うのですが、そんなことは理想論でしかなく、やはりお客様も社員も、同質性を担保してくれる会社が、らくなハズです。
もうちょっと言えば、異質性は排除の対象、なわけです
だから私は、私の思う「多様性」において、一企業としてそれを個性とするという戦いにおいて、非常に苦戦しています
だってお客様だって、社員だって、同質性のほうがらくなんだからね。
そこで「じゃあなぜあえて多様性?」と問われると、それが「社員の成長につながる」と信じているからなんです。
・・・まあここまでは、いったん理解してください
では次に、スケールの話をしますが
なぜ私は会社を大きくしたいのか?
それは、それこそ多様性の為です。
会社の規模が小さいうちは、どうしても「集中選択戦略」の方が、適します。
自分たちの強みを集約し、その強みに集中し、少数精鋭のプロフェッショナル集団となり、特定マーケットで勝負する。
その小企業ビジネスの基本スタイルを実現するには、同質性が好ましい。
同質の仲間と、同じ価値観で、限られた仕事に集中する。それが、良いわけです。
言い換えると、会社は「ある程度」サイズが無いと、多様性が活きない
どうしても、そうなります
例えば、テニスをダブルスで行うとして
この二人は、それぞれがテニスのプロであると同時に、二人の息が有っていることが、重要ですね。そうじゃないと勝てない。
だから二人でやるテニスのダブルスでは、あまり多様性は活きない。密着した二人である方が、良い。
次に、例えば野球
野球は9人で行いますね。9人それぞれが「野球」という同質なものに対して、同じような価値感をもっていると共鳴します。
ですが野球にはそれぞれ、役割が有ります。ですので各人が各人の個性を上手く発揮し、それぞれが適材適所のポジションで役割を果たせば、そのチームは勝ちます。
ですから、ダブルスよりは、個性が活かせますよね。
例えば足の遅い選手が居たとしても、力があれば、そのような打順や、ポジションがあると思うし、脚も力も弱いが、頭脳明晰というのであれば、そういう役割が、きっとある
このように、集団で何かをやるということになると、その「やること」が複雑であればあるほど、個性が活かせるようになってくる、言うなれば「多様性が活かせ易くなる」はずなんです。
ですので私は、この「多様性が活かせる世界」を今よりもっともっと大きくするために、
・会社を、大きくする
・難しい(単純ではない)仕事をしていく
という事を、したいんです。
後半に「単純ではない」仕事と、さらっと書きました。これは少しだけ解説しておきますと
例えば人数が多くても、行っている仕事が単純な場合、そこに多様性は必要ないんです。言うなれば没個性が必要なんです
軍隊を想像してもらえるとわかります
何百人何千人という人数の軍人が、号令のもと、一斉に同じ行動をとれる軍隊が、強い
一人一人が自由に活動し、個別の価値観で戦闘をしたら、その軍隊はかんたんに崩壊してしまうでしょう
だから、多様性が活かせる仕事とは、一人一人が個性を発揮することで生きる仕事とは、単純ではない仕事のハズなんです。
・マニュアルが無く
・先駆者や先生がおらず
・ディテールに厳しく
・変化しやすく
・保障が無い
そのような仕事において、私は、多様性が活きるのではないかと仮設しています
だから私は、株式会社ソノリテを
・大きくし
・難しい仕事をする
会社にしたいわけ、です
その手段としての多様性であり、その最終ゴールとして、「社員の成長」があるわけですね
ここまでも、一応、理解していただけたとして
最後に、新陳代謝の話をしたいのですが
成長期の人間って、新陳代謝が激しいじゃないですか?
だからというわけじゃないんですが、株式会社ソノリテも、やはり、新陳代謝を繰り返しながら、成長していくのかな?と、最近思い始めたのですね
以前私は、なんとなく
会社って、石を積み上げて行くように、大きくなっていくのかな?と思っていたんですが
あれ?それはちょっと違うのかな?と最近思い始めました。
すなはちそれが、新陳代謝の話なのですが
私は「社員数を増やす事」と「多様性」という関係の中に、「難しい仕事」という概念をあまり意識せず考えていたから、「石を積み上げていくように」会社が成長していくんだと勘違いしていたような気がします。
会社が大きくなる時に、私は多様性を強めて行きます
ですのでその多様性が活きるために、より複雑な仕事を出来るようにして行きたいわけです
そうなると仕事の質が変わる(私のなかでは、より難しい仕事は、より付加価値が高いので、より高額なペイが行える質の仕事に変わるという認識なのですが、その解釈は人それぞれとして、まあ、仕事の質が変わる)
言い換えると私は同質性を担保したまま、現状のビジネスに食らいついたまま、企業拡大を行いたいわけではないので、巨大な軍隊をつくりたいわけではない。
つまり今までの話を纏めると
私の会社は、大きくなればなるほど、多様性が高まりつまりメンドクサイ会社となり、かつ、やっていく仕事はより難易度の高いものになるわけで、私はそれが、当社の理念である「社員の成長」に繋がっていると考えている
の、ですが
まあ何しろ会社は変わるので
それが成長なのか何なのか、まあそういうことはどう解釈されるのであっても、会社が
変わるんだから、「自分が入社した時のソノリテと変わってしまった」と思う人は、出るなあと、思うし
ちょっと偉そうな言い方をすることを赦してもらうと、仕事の質がどんどん難易度を高めていくので、「ついていけない」と思う人も、出る
また多様性の高まりから「この会社ずいぶんメンドクセエ会社になっちゃった」と思う人だって、出るから
そこで新陳代謝が生まれ、新たな才能が会社に入ってくるし、会社を去る人は去る。
そういう事なのかな・・・と
ソノリテ第七期に入り、私は以後更なる会社の成長を考えるときに、見誤っていた新陳代謝に対する概念を、再認識し咀嚼し行動していこうと思い、このblogを書いた次第です
まとめ
「自らの個性を活かし」「変化と成長」を楽しみたいと思う人達、私はその人たちの為にこのソノリテを大きくしていきます。第七期開始において、私はそれをここに誓います。
株式会社ソノリテ第七期期初宣言 代表取締役 齋藤和政