題記の件ですけれど
2020年の4月。当社(株式会社ソノリテ)に、お笑い芸人として著名なハチミツ二郎さんが入社しました。
ハチミツ二郎さんは吉本興業所属の芸人さんであるわけですが、パラレルキャリアとして当社に入社しました。
まあいわゆる、副業ってやつですね。
「ハチミツ二郎!サラリーマンになる!」ということで、テレビ番組などでけっこう取り上げられました。
ハチミツさんが入社したタイミングが、まさにコロナと被っちゃったんで、「コロナのせいなの?」と聞かれることが多かったんですが
まあたしかに2020年4月、テレビタレントの仕事はコロナのせいで激減したのだと思います。
でも入社してもらったのは、それが理由じゃないんです。
コロナの騒ぎが始まるもっと前から、私とハチミツさんの間で、進めていた話でした。
入社の経緯みたいなものは、こちらに書いてある記事のがわかりやすいかな
あるいはハチミツさんの心情なんかは、こっちのブログがわかりやすいかも
で、
まあハチミツさんの心情なんかは、ハチミツさんのブログで確認してください、なんですが
ハチミツさんが入社してくれたこと、あるいはハチミツさんの入社とコロナが被ったことで、
私達の会社の「働き方改革」に対する論点が、すごくハッキリしたぞ~という事があるんで
今日はその話を、いくつか書こうと思うんです。
■例えば「ビジネスネーム」
まず、私達「株式会社ソノリテ」っていう会社は、主にITをツールとして、大企業の「働き方改革」を支援する仕事をしています。
んで、そういう私たちだから、私達自身も当然「働き方改革」している会社じゃなきゃならんわけで
だから私たちの会社は、真剣に働き方改革に取り組んでいるし、私達の会社には私たちなりの「働き方(改革)に対する方針や哲学」があります。
そして、色々な制度を導入しています。
現時点で在宅勤務率は90%を超えていますし、
例えばですね
- ビジネスネーム制度
なんてのが、あります。
ビジネスネーム、まあようするに「あだ名で仕事出来るよ~」って感じですね。
ビジネスネームって、すごく便利だし、働き方改革に寄与するんです。というか本当は、ビジネスネームは「多様性経営」に寄与するんです。
「多様性経営」は「一億総活躍」の重大なテーマでもあり、「働き方改革」の重要な基盤と言っても良い。
だから、ビジネスネームは多様性に寄与し、多様性は働き方改革の促進に不可欠、みたいな繋がりなんです。
多様性経営って、例えば性の自認が多用であることを、会社がどうインクルージョンするかって話なんですけれど、ビジネスネームを採用しているというのも、許容の一種なんです。
だってそうでしょ?自分の名前が、自認とかけ離れている人って、いるでしょ?だから めっちゃ便利なんですよ。ビジネスネームって。
「自分らしく働く」っていう時に、「働く時の名前を自分で決められる」ってのは、とても良いんです。
だから「多様な状況にある人が、自分らしく働く機会や場所を持つ事」は、働き方改革の一つのゴールであるわけですが、ビジネスネームは即効性のある制度の一つなんです。
だけどですね、
「ビジネスネーム」「偽名で働ける」って簡単に言うけれど、今の日本で会社の制度にして、実際に運用するのは、けっこう大変な事もあるんです。
やってみればわかります。私たちは、やってみてますから。わかっています。
「通常の仕事はビジネスネームでいいけれど、本名じゃなきゃダメな書類は本名でってことにすりゃいいだけなんじゃないの?」って、思うかもしれないけれど、そんな簡単な事じゃない。みなさんの会社の総務や人事の方に聞いてみて下さい。簡単じゃない事がすぐわかります。
会社を経営していると、さまざまな公的機関や、保険医療機関に対する届け出や連携を行わなければならない。そういう時に求められる「従業員氏名」が、どこまで「ビジネスネーム」で通用するのか?「戸籍上の名前と違う事が許されるか」なんてことを、色々と検証しながら進めなければならない。
自分たちが使っているITツールやシステムが、ビジネスネームに対応していなければ、カスタマイズしなければならない。
ね、ちょっと考えただけでも、いろいろありそうでしょ?
そして、さらに私たちは「ビジネスネーム」だけでなく「本名非公開制度」も選択できるようにしています。
これが出来ていなければ、いくらビジネスネームを使っていても意味が無い場合があります。
だから私たちの会社は、本人が希望すれば、本名を他の社員に知られる事なく、ビジネスネームだけで仕事が出来るようにしています。
これ、すごく大変です。
でも、これ(本名非公開)をやるとやらないでは、「多様性」に対する効果がぜんぜんかわります!違います!!
だから当社の中には、同僚も「あの人のビジネスネームは知っているけど、本名は知らない」と言う人がいます。
働き方改革、がんばってます!うちの会社。
はい。そこまでが、うちの会社の解説。
そこで、じゃあ「ハチミツ二郎」ですよ。
「ハチミツ二郎」って名前は本名じゃあないんです。そりゃそうですよね。芸名です。
そしてハチミツさんは、当社におけるサラリーマン活動においても、比較的「ハチミツ二郎」として働く事を希望した(本名非公開までは希望しなかったけど)
だってハチミツさんは「ハチミツ二郎」ですよ
そして私も、ハチミツさんが「ハチミツ二郎」として活躍してきた芸能活動の上に、副業として当社をジョインさせるとするなら、当社でも「ハチミツ二郎」でいてほしかった。
その時に、当社がすでに「ビジネスネーム:使えます」って会社になっていたから、これがすんなりと、いけた。
もし当社が「ビジネスネーム」を利用出来ない、古い体質の会社だったら、そこは、どうなっていたか?
「そんなこと、どうでもいいじゃん?(名前なんて)小さいことじゃん?」
でしょうか?
まあそう思う人も、いるかも知れないけれど・・・
名前って、そんなに小さなことでしょうか?
「すべての働き手が、自分らしく働く」という働き方改革のゴールに対して、名前って、「小さなこと」では、ないと思う。私は。
夫婦別姓だって、そうだし
差別のある世の中で、自分の名前と自認とのギャップに、苦しんている人って、けっこうたくさんいるし、
そういう人にとって「自分らしさ」と「名前」って、けっこう大きなテーマですよね。そう、思いませんか?
そういう事が、図らずも、検証されることになりました。
そんな感じで、
ハチミツ二郎さんの副業入社は、当社の「働き方改革」が、どの程度、「多様性をインクルージョン出来るレベルであるか」を、さまざまに検証する出来事となったんです。
■そしてそもそも「副業の許可」
で、ハチミツ二郎さん入社における働き方改革度の検証において、もっとも大きなテーマの話をしますと、
ずばり「副業」です。
「副業」は、多くの企業の「働き方改革」にとって、今も大きなテーマになっているでしょうし、これからもどんどん社会的課題になっていくのではないかと思います。
それをハチミツ二郎さんの入社に重ねてみると「サラリーマンとお笑い芸人の兼業(副業)」というテーマになります。
このテーマについて、当社ソノリテはどのように考え、どのようにインクルージョンしたのか?っていうお話をしようと思います。
これが今日のメインの話です。
あ、で、詳細に入る前に
とても重要な事をお話しますが
当社株式会社ソノリテは、基本的に、副業は「禁止」です。
お?
なんですと?
え、だってハチミツ二郎さんは副業なんでしょ?
ええ、そうです。
当社は基本的に副業は禁止なんですが、ハチミツ二郎さんには許可しています。
「許可制:基本は禁止」なんです。
え~そうなんだ~もっとヤワラカイ会社なのかと思ってたよ~
あ!、そうか!、ようするにハチミツ二郎さんは有名人だから、入社させればそれなりに広告になるだろうから、特例として例外的に入れたんだな!
いやいや、違います!
違うんです!
そこは 違 う ん で す !!!
ハチミツ二郎さんに対し、副業を許可した理由は、
彼が
「(お笑い芸人として)スーパープロフェッショナルだから」
なんです。
わかりますかね?
×ハチミツ二郎さんが有名人だから、入社させて話題を作ろう
ではなく
○ハチミツ二郎さんがスーパーお笑い芸人だから、入社してくれたら当社の多様性は爆上げするし、多様性を爆上げするにはハチミツ二郎さんが「スーパーお笑い芸人であり、当社の社員でもある」ことが重要だ
ということだから、副業を許可しているんです。
はい
わかってもらえますでしょうか?
×有名人だから
ではなく
○プロだから
です!
わかるかな?
似てるけど・・・わかって欲しいな・・・
ところで私が考えるに、まだまだ日本の会社が「副業」を導入するには、リスクがあります。
その会社側のリスクを産んでいる根本原因は、私は日本の労働基準法の考え方の古さにあると、断言します。
まあそれくらいは、特に解説しなくても、良いですよね
そしてその、リスクですが、リスクと言っても、あくまでも存在するのは会社側のリスクです。
社員のリスクではない。
社員にとって、「副業」をすることは、色々なメリットがあると思います。
ただ、
会社側にリスクがある以上、会社はそのリスクを社員に転嫁する為に、社員にデメリットとなる制度整備をします。
だから社員にも、あまり良い事にはならない。
これが私の見解です。
私は、基本的に社員が「どんな働き方(副業なども)でも選べる」というのが「自由な社会」だと思います。
でもそれは、私が考えるに「自由と依存」に関する問題に当たります。
- 副業は「働く自由、働き方の自由」です。
- でも「自由」を勝ち得たい人(社員)は、「責任」を背負う事になります。
- どうように、どの会社で、月に何時間働こうが、それはその人の「自由」です。
- 例えば複数の会社で、猛烈に寝る間も惜しんで働いて、沢山金を稼いだが、そのかわり身体を壊したとする。でもそれはその人の「自由」です。自分で身体を壊したっていう、自己責任です。
- 逆に例えば、何らかの理由で自らの意思で、何年も仕事をしなかったとして、とても貧乏になる。それもその人の「自由」です。
(憲法の「勤労の義務」の話を除けば、ですが) - でも日本の労働法は、どちらかというと「自由」ではなく「依存」を基礎としています。
- 社員は会社に依存しなければ生きていけないから、会社が社員を粗暴に扱わないように、国が(法律が)守ってあげよう。という考え方です。
- だから会社は社員に「残業させてはいけない」し、「休暇をとらさせなければいけない」という法律になっています。
- したがってある人が「(複数の会社で)猛烈に寝る間も惜しんで働く」という自由を行使しようとしても、法的解釈としては「寝る間もなく働かされた」という解釈となり、社員が身体を壊したら、それは「会社の責任」となる。
- つまり日本では、常に会社に「リスク」があり、社員には「自由」がない。
- で、その前提で「副業」を考えると「副業」は「働く自由」が前提になるから、自由がない日本で「副業」を行ったとして、もし社員が身体を壊したら、それは「会社の責任」となる(という、法律の矛盾がある)
- だから会社は副業をリスクと捉え、副業を許可する場合、なんらかの「リスク調整分」を社員に押し付ける(押し付けざるをえない)
これが私が「基本的に副業禁止」にしている理由です。
私が言いたいのは、「副業」ができる日本になるためには、自己責任という「自由」を勝ち得るカードを、全日本人がキチンと持ちえる国になり、そういう法律に反映させなければ、ダメだということ。
例えば皆さんが自分の会社で副業を認めてもらおうとしたら、こんな会話になりませんかね?
- 社員「副業させろ」
- 会社「NG」
- 社員「なんでだよ。時間外に俺がどこで何をしようが自由だろ」
- 会社「何かあったら会社が管理義務を問われる。だからNG」
- 社員「なんだよそれ」
どうでしょう?
皆さんの会社では、違うでしょうか?
違う場合も、あるかも知れませんね。
例えば、こういう会社もあるかもしれない
- 社員「給料上げてくれ」
- 会社「むり」
- 社員「なら残業する。残業させてくれ。」
- 会社「むり。仕事ない。」
- 社員「なら副業させてくれ。」
- 会社「いいよ」
つまりこういうシナリオ。
このシナリオの延長線上には、結果として社員が、目先のインカムや「副業、新しい、面白そう」というシナリオにのって、例えばギグワーク系などの副業を始めてしまい、結果として「二兎を追う者は一兎をも得ず」的な「世の中にとって都合の良い労働力」にシステム的に陥らされ、貧する。
そんな風に思うんです。
わかりますかねこの話・・・
でも
でもですね、本人がそれを選ぶなら、それならそれでもいい。
それも自由。そういう人生を選択するのも自由。
そうも、思っています。
ただ
私は
私は、私の会社にそういう人は、いらない。当社はそういう社員を求めていない。
なぜなら
当社が社員に求める基本的なスタンスの中に「Professionalism:プロ意識」が、あるからです。
ソノリテの理念・哲学
■プロフェッショナルになろうとする人に副業など不要
「Professionalism:プロ意識」を社員に求めるソノリテにとって、「面白そう」なだけの「副業」は、一意専心の反対にあるものであって、単純に考えれば「Professionalism:プロ意識」に向かうモノではない。
すごく単純に言えば、「自他ともに認めるプロフェッショナル」と成り得ていない人が、副業をしたとしても、「プロフェッショナルに成る」という事に対して言えば、根本的には意味が無い。
そういう解釈。
だってそうじゃないですか?
例えばアナタが、仕事A、仕事Bが出来る存在だとして
仕事A:時給2000円
仕事B:時給1500円
だったとしたら、
アナタはどっちかといえば、仕事Aをやるべきですよね?
アナタに毎月160時間働ける時間があるとしたら、その160時間を全部仕事Aに向けた方が、効率が良いですよね?
さらに、アナタが仕事Aに専念していれば、仕事をさらに習熟していくわけだから、仕事Aの時給が2500円にアップするかも知れないじゃないですか?
仕事Bする暇があったら仕事Aやってたほうが良いですよね?
そしてそれはアナタが「仕事Aのプロ」になっていくという話ですよね?
そこなんですよ
もしアナタが、「プロフェッショナル」を目指している人ならば、仕事Bをやるメリットなんて、基本的には、無いんです。
そんな単純な話です
プロフェッショナルを目指している、ならば、ですが・・・
■休ませろ!って言われているのに
ここでさらに、別の問題として
会社がいかに、法律から、理不尽な事を言われているか!っていう点を、軽く解説しておきますけれど
今まで日本の会社って、
「残業させてはいけない」
「休暇をとらさせなければいけない」
って、法律に、言われてきているんです。
それは知っていますよね?
「働き方改革」でも「残業」「休暇」ってのが、大きなテーマであることは、みなさんご承知の事かと思います。
でも、今まで「残業させてはいけない」「休暇をとらさせなければいけない」って言われてきた会社が、
「(定時後や休みの時に)他の会社で働く事もみとめろ」と
言われたら
なんじゃそりゃ?
って、なりますよね?
だって「働かすな」「休ませろ」って言われていて、さらに「他の会社で働かすことをみとめろ」って、なんじゃそりゃ?
なんじゃそりゃ? なんですよ いやマジで
それが会社側の「なんじゃそりゃ?」っていう問題です。
いや、
それだけじゃない
もっとも根源的な問題として、労基法第38条第1項の、いわゆる「通算ルール」というものがある。
この「通算ルール」、簡単に言えば、副業・兼業の総労働時間全部、会社がちゃんと責任もてよ! というもので
なんじゃそりゃ?
ほんとうにもう なんじゃこりゃ!
「管理モデル」などいろいろな折衷案があるのですが、基本的に会社が管理する。という依存であることに変わりはなく
私も経営者として考えるに、この「通算ルール」は、完全におかしい。
無理がある!
バグってる!!
完 全 に バ グ っ て る !!!
やっぱりですね~
基本的に「自由」ではなく「依存」が支配する日本の社会で、「自由と責任」という概念に慣れていない日本人が、「副業」をしたいんだぜい!なんて言っていたとしても、私には戯言にしか聞こえないのです。
■プロなら許す。
依存が支配する社会で、「社員は会社に働かされている」という法的概念の上では、自分の「責任」を会社に委ね、その行動が法律的にも適法だということであるならば、社員がそこで得る事が出来る自由は、会社からリスクを転嫁されたものに過ぎなんですね。
会社が、社員に充分な仕事量を与えられない場合の、あるいは大胆なリストラクチャが出来ないことの懐柔策として、「副業許可」が生まれてくるにすぎないように思います。
だから私は、自分の会社「株式会社ソノリテ」を、まだ「副業自由」に、出来ない。
それは私が社員にリスクを転嫁する制度にしかならないから。
それは、ダサイ。
それが私の基本的な考えなんです。まだ(副業許可)出来ない。
「まだ」ね。
でもまあ、出来る場合もあるよ。
出来る場合、というか、出来る社員。というのかな。
当社の社員の中でも「この人は、副業許可しても、いいな。」「むしろこの人は、副業してもらったほうが、いいね!」っていう人が、いる。
それは、「すでにプロフェッショナルな人」
そうです、私は【ここ超重要】
- すでにプロフェッショナルな社員なら、副業OK
- まだプロフェッショナルとは言えない社員なら、副業NG
というような裁定を、しています。
すでにプロフェッショナルな人は、法律がどうであれ、リスクオウンで生きているし、自らの責任を理解して生きている。
なのですでにプロフェッショナルな人は、副業をしようが何をしようが、それを自らの責任として、全う出来る。
すでにプロフェッショナルな人にとっては、
仕事A:時給10000円
仕事B:時給1500円
仕事Aがプロな仕事であって、仕事Bはまあ、自分の幅を広げるための何か、であったり、そういうポジティブな意味付けを、自ら付け、時間を使う。
わかるかな?
例えばプロスポーツの世界で例えてみます。
Aさんはプロ野球選手です。一軍の四番打者です。
Bさんはプロ野球選手ですが、まだ入ったばかりで、三軍です。
Aさんは、自分のバッティングを次なる高みに成長させるために、オフシーズンに高名な柔道の道場に通い、新たな視点から自分の肉体を攻め、肉体改造をすることを選択し、道場にこもりました!!
すばらしい!常識に捕らわれない発想!すごい選択だ!がんばれAさん!
Bさんは、今がガンバリどころ!まだまだ成長出来るポテンシャルがある!今こそ基礎トレーニングや試合経験をどんどん重ねて、自分を追い込む必要がある!
・・・のに、ちょっと知り合いに誘われて、バスケットボールの試合に出てみたり、ウィンタースポーツを齧ってみたり・・・
ん?Bさん、そんなんでいいの?今がガンバリどきですよ!
いま頑張らないと一軍には上がれないよ!野球に打ち込んだ方がいいんじゃないの?野球に打ち込んだ方がいいよゼッタイ!!!
そんな感じ。その違い。
つまりすでにプロフェショナルなのかどうか、その観点において副業が「その人のProfessionalismにポジティブに作用するか」を、争点とするべきなのかな。と思っています。
わかりますよね?
「いや、だからさ、それって個人の自由でしょ?」
はい、もちろんそうですよ。
「だからさ、俺が一軍なのか三軍なのかなんてアンタには関係ないじゃん? 俺が副業したいって言ってるんだから副業させなよ。それって俺の自由でしょ?」
はい、その通り。
でもね、その自由のせいで、会社にはリスクが生まれるの。
会社にリスクが有るような事は、私は禁止にします。
それにね【重要】
プロフェッショナルになろうとしない人を、リスクを背負ってまで、雇う気、俺にはないから。
だから、あなたが一軍なのか三軍なのかは、会社にとっては、とても重要な話なんです。
あなたが一軍選手で、副業をしたいというのなら、会社もリスクを背負ってでも、あなたの副業を支援しますよ
■だからハチミツさんは副業OK
さて、ハチミツ二郎さんの話に戻ります。
もうわかると思いますが、
先に私は
×ハチミツ二郎さんが有名人だから、入社させて話題を作ろう
ではなく
○ハチミツ二郎さんがスーパーお笑い芸人だから、入社してくれたら当社の多様性は爆上げするし、多様性を爆上げするにはハチミツ二郎さんが「スーパーお笑い芸人であり、当社の社員でもある」ことが重要だ
ということだから、副業を許可しているんです。と、言いましたが
ちょっと言い直します。
○ハチミツ二郎さんがスーパーお笑い芸人だから・・・
の所を言い直しすると
○ハチミツ二郎さんが(お笑いの)スーパープロフェッショナルだから
という、事ですね。
先の野球のAさんの例でいえば、Aさんはプロ野球チームの一軍の四番打者でした。
ハチミツ二郎さんは、言わずもがなお笑いの一軍の四番打者です。
そのハチミツ二郎さんが、異分野の異文化を吸収してみたいと思って、「サラリーマン」「ITコンサルタント」をやってみたい。と言っているのは、
私には、一流に登りつめた強打者が柔道に真剣に取り組んで新しい可能性の扉を開こうとしているのに似ている、と思えるんです。
喰えないお笑い芸人さんがアルバイトをやろうとか、サラリーマンと兼業しようと考えているのとは、わけが違うんです。
本業で食えないサラリーマンが副業を始めようとするのとも、わけが違うんです。
■基本は「敬意」
一度、整理します
私が、自分の会社で「副業」を「許可制:基本は禁止」としている理由です。
まず、
- なぜ「基本は禁止」なのか
理由)日本の法律では、会社に、リスクが有るから - なぜ、許可をしてくれないのか
理由)副業はあなたがプロになることを阻害するから - でも、許可をされる人もいるんでしょ?
理由)その人はすでにプロだから
です。これが整理。
そして以下に、もうちょっと突っ込んだことを書きますね。
- プロもいる会社なのに、なぜ「基本は禁止」なの?
理由)まだプロの方が少ないから。
これ、まあわかってもらえると思いますが、実際に会社を経営してみると、なかなか現実って厳しいんですよね。
特に若い人は、自己認識が甘い傾向にあり、自分がプロだと思い込んでいたり、まだまだ自分の正業に対して深い所に到達できていないのに「飽きた」などと考えがちだったりと、そういう話も込みで。
ようするに「プロフェッショナリズムとはなんだ!?」とか、「どのレベルをプロフェッショナルとするんだ!」みたいな、定義の話が出て来るんですが
私は、私が・・・というか会社が・・・
その人(社員)のプロフェッショナリズムに「敬意」を感じているか
という、やや俗人的な感性の話に、帰着します。
うん。そう。俗人的。
齋藤(ならびに当社の意思決定機関である「共鳴装置」)が、「この人はプロフェッショナルとして、尊敬する」
というレベルであれば
これはもう、副業だろうがなんだろうが、自由に働いて欲しいわけだし、その人の「働き方」に対して敬意こそあれ、何かを禁止するなんてことが、そもそも違うよね。するべきじゃないよね!ということ。
わかりますよね?
逆に言えば、当社が「副業は基本OK」の会社になるとすれば
A)プロフェッショナルだらけの会社になったとき
あるいは
B)経営がうまくいかず、社員に充分な仕事量を与えられないとき
か
C)副業を許可しないと、社員がみんな辞めてしまい、それが困るとき
と、なる。
もちろん会社としてB)やC)を目指すわけがないので、A)になって行くよう、経営をしているわけで。
だから少しずつですが、私が敬意をもってお付き合いをしている「プロ」が、会社の中に増えて行っている。
そういう事を確認しながら、「許可制」をとっているわけです。
で、さらに突っ込んだ話を加えます。
- なんのプロでもいいの?例えばケン玉のプロが入社してきたとして、その人には副業を許すの?
答え1)当社の事業にダイレクトに関与するプロフェッショナルならば、副業を認めて行く
(基本的には当社が本業と考えるパターン)
答え2)当社の事業とは関与が考えにくいプロの方だとするなら、多様性の醸成や長期的視野をもって「何かありそう」と感じられるなら、ジョインしてもらう
(基本的には当社を副業と考えるパターン)
はい。そういうことです。
で、ハチミツ二郎さんの場合は、答え2)の枠組みとしての「何かありそう」「何かが起こせるかもしれない」という形をもって受け入れられた。っていう事ですね。
何かありそうじゃん
わかるよね?
ハチミツ二郎が入社するってよ!何かありそうじゃん!!
ただ、それだけの話。
まあ、時間はかかるかも知れないけれどね・・・
■ハチミツ二郎という人の挑戦は、ちゃんとふざけている。
最後に
ハチミツさんがサラリーマンになったよ~という数々のメディア露出の中で、やっぱり私が注目したのは
フジテレビ、ワイドナショーでした
【参考:ザ・テレビジョン】
この番組で、「なぜサラリーマンになったのか?」と聞かれたハチミツさんが
「まず芸人としてふざけている部分がある」と言ったんですよね
(上記の引用ページにも書かれています)
そう
そこ!
そうなんですよ!そこなんです!!
今回の件で、ハチミツさんに「サラリーマンなめんなよ!」みたいなアンチコメントをした人も、何人かいるみたいなんだけども
ハチミツさん
「ちゃんと ふざけている」
んですよ~
・・・おいおい
齋藤、おまえはアフォか?
おまえ、ナメられてんじゃんか!
おまえの会社、ふざけて入社されてんじゃん?
・・・あ、はい
そうですよね
そうです
いや、だってさ
そりゃそうでしょ?
だってさ、一流のお笑い芸人さんが、IT企業に普通に入社したんだよ。
そりゃ、おふざけでしょ!?
それで言ったら、俺も、ふざけているよ!
はい、ハッキリ言いましょう。
私も、
「ハチミツ二郎さんがソノリテの社員になったら笑えるわ~」
「うちの社員たちビックリするだろーなー」
そんな感じですよ。
はい、私も、ふざけてます!
ふざけている。
私、前半で
当社が社員に求める基本的なスタンスの中に「Professionalism:プロ意識」が、あるからって話をしました。
ソノリテの理念・哲学
で、同じ「共鳴ファウンデーション(5つのスタンス)」ってのの中に
Playful:アソビゴコロ
ってのも、あるんです。
アソビゴコロ
まあ、「ふざけている」も、Playful:アソビゴコロ です
いや、仕事って、マジメにやるもんですよね。はい。
だからさ、当社の社員達は、みんなマジメですよ。
俺だって、マジメ。
でもね
人間が、人間の為に、何かをする(何かを作ったり、何かをしてあげたり)行為の中に
アソビゴコロ
って、大事だと思いませんか?
ハチミツさんはお笑い芸人だから、笑いのプロです!
言うならば「ふざけ」のプロですわ
でさ
皆さんは、どう?
皆さんは、皆さんにとって「働く」ってことは、なんなの?
働く事に
アソビゴコロ
なくて、いいの?
日本の会社は、もしかしたらどこか、「マジメ」に気負いすぎて、結果として過重労働や、あるいはもっと悪質な搾取などの結果に結び付いた事を、反省すべきなんじゃないの?
それって、日本の「働き方改革」の、とても大きなテーマなんじゃないかしらね
私が、私の会社「株式会社ソノリテ」に、どの程度「アソビゴコロ」をインジェクション出来ているか?
ハチミツ二郎さんがソノリテに、どんな形でアソビゴコロをインジェクションしてくれるか?
そしてそれが、当社の「働き方改革」に、どのような結果をもたらすか
私の「責任」で「自由」にやります
ご期待ください。
■コロナ感染
そんな中
ハチミツ二郎さん、報道でもご承知の方も多いかと思いますが、新型コロナに感染され、緊急入院や、意識不明などを経て、復帰しましたが、
そういう経験も、なんもかんも、なんというか、派手だよ・・・
もうねぇ
心配したんだよ・・・
ご家族から連絡来て、意識不明で救急搬送されたとか、芸能人だから自社社員にもあまり情報公開出来ないし、
自分でいうのもなんですが、当社はコロナ対策は猛烈にやっている会社なんで、当社で感染する、感染させるということは99.9%あり得ないんで、まあそれは良いんだけど・・・
まあそんな、ハチミツさんと、ソノリテは、やっていきますわ!
今後の、ITとお笑いの共鳴に
ご期待ください!!!!!!!!!!!!!!!