HERO、人事評価、パレートの法則 その5

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はい、続きです


例えば 誰か 一人の命と♪
引き換えに 世界を 救えるとして♪
僕は 誰かが 名乗り出るのを 待っているだけの男だ♪

愛すべき たくさんの人たちが♪
僕を 臆病者に 変えてしまったんだ♪
Mr.Children「HERO」(2002)歌詞より引用】

 


ヒーローになろうとする人は、少ない

 

そうね。そうでしょう。

 

たくさんの大人と、そして本能も「臆病者になれ」と言う。

 

それが愛、らしい。

 

 「ヒーローだなんて、やめた方がいいよ」

 

 「普通が、一番だよ」

 

 

■会社の価値は「雇用を創ること」なのか

 

私はですね~

 

長年悩んでいたことが、ありまして。

 

会社を経営するようになって、色々なことを悩んでいるわけですが、

 

色々な本を読んだり、ビジネス学者の教育を受けたり、先輩社長に話を聞いたり、いろいろとしているわけですが、

 

一つ、大事な問いとして「会社の存在価値とは何か」というのがあってね。

 

まあ「会社は何をすればいいのか」って言い換えても良いけど。

 

そこで、ある考え方に出会いました。

 

 会社の価値(の一つ)は、「雇用を作り出すこと」だ

 

という、考え方です。

 

ようするに、「仕事をつくる」って事ですね。

 

国民は、収入がないと死んでしまう。

 

仕事=くいぶち って事ですね。

 

だから仕事をする必要がある。

 

まあ勤労は国民の義務でもあるしね。

 

だから会社は、そういう「国民たち」に対して、「仕事」を与える役割があるんだよ。ってこと、ですね。

 

「雇用を創る」ってのが会社の価値であると。

 

この考え方に、私はとても悩み続けました…

 

この「雇用を創る」っていう考え方。もうちょっと酷い言い方をすると

  • 国民は凡人である
  • 凡人とは労働者である
  • 会社は労働者に労働を提供しなさい。
  • そして凡人である労働者は国民の義務である労働をしなさい。
  • そしてみんなで経済を創りなさい

 

っていう、

 

そういう感じがしてたのですよ。私は。

 

  • 働くのは、国民の義務
  • 働かすのは、会社の義務

 

そんな感じかな…

 

そんな感じのことが、例えば日本の会社法とか労働法とか、そういうモノの根底に、ある感じがしていた。

 

例えば経営者って言うのは、雇用保険、労働者保護の対象ではないんだけど、(でも所得税は払うんだけど)そういう面からも、

 

  • 働くのは、国民の義務
  • 働かすのは、会社(経営者)の義務

 

みたいな感じがある。

 

それに私もね、社長をやっていると、よく

 

 「社員50人の生活を背負っているんだから凄いですね」

 

とか、言われるんだけれども…

 

う~ん…

 

なんか…違うんだよな…

 


■仕事、生きる、成功する

 

これ、「会社」と考えると、すこし難しい話のように感じてしまうと思うので、話をシンプルにするために、言い換えようと思います。

 

ここでは「村」としましょう。

 

みなさんがどこかの「村」の「村人にならなきゃいけない」って話にしましょう。

 

はい、頭を切り替えてください。あなたはどこかの村の村人にならなきゃいけません。

 

村が3つあります。どの村にしますか?

 

  • 村A:大きな田んぼと大きな畑を持っていて、たくさんの農民が住む村
  • 村B:山賊の住処で、無法者達が他の村を襲って暮らしている村
  • 村C:村Aも村Bも嫌な人間が集まり、新たな村を創ろうとしている、今は何もない村


さて、どれにします?

 

まあ、たいていの人は、「とりあえず:村A」って感じじゃないですかね?

 

私だって、もし私があなたの親だったら、「村Aを選べ」って言います。

 

「村Bに行きたい」って子供が言ったら、「え?やめろ!危ないぞ!」って言うと思うし。

 

そして、もし子供が「村Cに行きたい」って言ったら、たいていの親だったらこう言うんじゃないですか?

 

 「お前ねえ、考えが甘いよ」

 「村Cなんて、なんの保証もないんだよ」

 「村Aを選ばないなんてどうかしているよ。お前は我慢が足りないんだよ」

 

みたいにね。そう、言うと思います。


これは、「村」を、みなさんがどのように考えているかがポイントなんだと思うんですよね。

 

まあなんとなく「村」ですから、生活の基盤と言うか、「生きるため」に所属するグループなわけだと…なんとなく…そのような考えを前提において、意思決定している気がします。

 

目的が「生きるため」ですから…これはもう、「生命」の問題ですから、自分の「生命」にとってリスクが低いのはどの村だ?って話でして。

 

よっぽど腕力が強いとか、暴れん坊なんだよ!って人なら村Bもありえるかもしれませんけれど、普通、「生きるため」が目的なら「村A」を選びますよ。

 

じゃあ次

 

皆さんが「何かで成功したい」人だと、そう考えましょう。

 

皆さんは「何かをやって成功したい!」と考えている野心家です!

 

そしてその「成功」するための仲間を探しているとします。

 

仲間を探すために、ある村の村人になろうと考えました。

 

どの村にしますか?

 

  • 村A:大きな田んぼと大きな畑を持っていて、たくさんの農民が住む村
  • 村B:山賊の住処で、無法者達が他の村を襲って暮らしている村
  • 村C:村Aも村Bも嫌な人間が集まり、新たな村を創ろうとしている、今は何もない村


さてどうします?

  • 案1:いったん村Aに行って安定した生活を送りながら、「成功」のための準備や仲間づくりをしよう
  • 案2:(もし自分の腕力や悪知恵に自信があるなら)村Bに行き、手っ取り早く資金を集めたり、悪い仲間を増やそう
  • 案3:俺と同じように「何か新しいことを求めている」人が多くいそうな村Cに行き、仲間を増やそう


さあどうしましょうかね?

 

  • 案1だと:安定的に物事が進められるような気がしますが、やや生ぬるいというのか、安定に甘んじて成功への進みが遅くなる気がしますし、「やる気のある仲間」が現れるか不安かも
  • 案2だと:かなりヤバい感じの進め方になるだろうし自分が悪の道に染まっちゃうかも知れない。そもそも違法なことをして金や仲間を集めても、成功した後に叩かれるかも
  • 案3だと:「現状に不満のある仲間」「新しいことを始めたい仲間」ってのが集まりやすいと思う反面、気が合うか?とか実力が伴っているかと言うとわからないしみんなワガママなだけかも

 

というような感じですよね。

 

さあどうするか

 

答えは…

 

まあ答えは、ありませんw

 

こんなことに、答えなんてあるわけがない。

 

判断ではなくて、決断です。自分が信じた道を進むしかない。

 

「じゃあ、どれでも良いんじゃん?」と思われるかも知れませんが…

 

どれでもいいというよりも、どれにするんだ!自分で決めるしかないんだぞ!っていう事でして

 

私が一つ言いたいのは、

 

 案1(村A)、案2(村B)、案3(村C) の違いって

 

ローリスク・ローリターン(案1)か、ハイリスク・ハイリターン(案2,3)か、って、事なんですよね

 

つまり

 

「仕事」を「生きるためにする事」と定義すると

 

 村A:ローリスク・ローリターンが一番だよね

 

ってことになり

 

「仕事」を「成功するためにする事」と定義すると、ローリスク・ローリターンか、ハイリスク・ハイリターンか、いろいろあるぞ、自分で決めろ!


ってことになる

 

ここです。

 

「働く」という事に対して

  • 働くのは、義務
  • 働かすのは、会社の義務
  • 働くのは、食いぶち のため。
  • 働くのは、生きるため
  • 会社は、雇用を創るためにある

 

そういう考えがあるなら、誰だってローリスクが答えだよってなるよ…

 

なるよそりゃ…

 

  • 働くのは、「成功するため」

 

と考えなければ、ハイリスク・ハイリターンの事なんて、だれも考えないって。


だからですね

 

  • 働くのは国民の義務

 

とか

 

  • 会社は雇用を創るためにある

 

なんていうのは、私は、好きになれないんです。

 

好きになれないんです。

 

好きに…

 

いや、本当か?

 

本当に、私は、好きじゃないのか?

 

いや、おかしい

 

本当はそれで良いと思っているんですよ。たぶん。心の奥底の、本能の辺りで。

 

 

■「安定志向」をどう崩すか

 

おそらく私は臆病者である。私ほどの臆病者はいないであろう。

 

確かに私は比較的チャレンジ志向ではある。

 

「やるのか、やらないのか 迷ったら やる」

 

と考える方だ。

 

がしかし一方で私はとても憶病者なんです。大胆になり切れない自分を不甲斐ないと感じる事もしばしばあります。

 

 怒られることがとても嫌いです。

 

 待ち合わせに遅れることもすごく嫌い。

 

 パーティーで知らない人に声をかけることも出来ないし、


 ランチタイムはいつも決まった店に行きます。新しい店を開拓して失敗することが怖いんです。

 

そんな臆病者な私が、なぜビジネスの決断では比較的チャレンジ志向であり、かつ自分の会社に対しヒーローを求めるような言動をするのかと言えば

 

おそらくは私が当社のパレートの法則の中の上位20%だからであり、かつその上位20%の中の上位20%でもあるからです。

 

どこまで行っても私が最終意思決定者(つまり社長)なわけで、それは文字通りTOPだから(そして当社がイノベーションを基軸にした戦略を立てているから)


そんな私ですら、いや、結局みんなそうなんじゃないかと思うんですが、

 

  • 会社は雇用を創るためにあるんだよ
  • 会社は社員の生活に安定をもたらすためにあるんだよ
  • 「社長さんは社員の生活を背負っているんだから大変ですね」

 

みたいな言葉に寄り添わされて、ついつい「安定志向の会社」を創ろうとしてしまう。

 

つまりパレートの法則で言えば

 

 80%の社員の「遠慮」という「本能」に寄り添われ

 

自分が、つまり私が

 

 HEROを創ろうとしてない


ということ、なんですよね。
 
そうなんです。

 

そんな会社で、ヒーローなんて、産まれるわけないですよね

 

原因は、私です。

 

私が臆病者だから、ヒーローが生まれない。

 

私がパレートの法則に縛られているから、ヒーローが生まれない。

 


愛すべき たくさんの人たちが♪
僕を 臆病者に 変えてしまったんだ♪
Mr.Children「HERO」(2002)歌詞より引用】

 

まだまだ続きます~↓

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