HERO、人事評価、パレートの法則 その7

前回のブログ

 

saitoukazumasa.hatenablog.com

 

その続き~

 

千年に一人のような センスがなくたって

アタシや 君だけのゴールを 見てみたいよね

どんなに世界が わからず屋ばっかでも

アタシはキミという わからず屋の味方

【LiSAだってアタシのヒーロー。」(2018)歌詞より引用】

 

 


■H・A・L評価制度

 

当社はこの7月から、株式会社ソノリテの新しい評価制度として、

 

 H・A・L評価制度

 

を開発し、運用を開始しました。

 

これを解説していきます。

 


成果主義的評価制度の問題点

 

私は以前から、成果主義、目標管理的評価制度について疑問を持っていました。

 

「疑問を持っていました」は少し言い方が甘かったかも知れません。ぶっちゃけ嫌悪感を持っていました。


企業が社員を評価するにあたって、いろいろな方法があり、それぞれに色々な問題点があると思うんですが、

 

根本的に私は、以下のような考え方に嫌悪感がありました。

 

  1. 会社から量的GOALを設定される
  2. 中間執行役が実行計画を練る
  3. 下位チームにノルマが割り与えられ、ノルマの実行を中間管理者が管理する
  4. ノルマの実行に対する目標と実績をベースに評価が決まる

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トップダウン

 

それを、以下のように(自社ソノリテでは)したかったんです。

 

  1. 「自分の成長」に興味をもちソノリテに入社する
  2. 会社で成長のチャンスを得て、チャレンジする
  3. 様々な経験の中で成長する、成長の場であるソノリテも結果として成長する
  4. したがってソノリテは、社員の成長を評価軸とする

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ボトムアップ型成長

 

結果の部分(つまり両方とも④)、で言うと

 

 前者:目標と実績の差分で評価する
 後者:成長を評価する

 

という違いがあるわけですが…

 

違うったって、違わないんじゃない?みたいなね…

 

違いは確かに、両方に添えたイラストにあるように、意思が「上から下(トップダウン)」なのか、「下から上(ボトムアップ)」なのか、という違いに見えますが

 

本当の違いは、

 

 「(みんなを)揺り起こす」

 

この、方法の違いです。

 


■H・A・L評価制度で「揺り起こす」

 

私が旧来の「成果主義、目標管理的評価制度」に対して嫌悪感を持っていた、その理由。それは

 

 「揺り起こし方が上意下達:トップダウン」だと言う事。

 

つまり会社の意思、例えば

 

  • 「来年度は売上5,000億円を達成するぞ!」と言われて、
  • 各部署に目標値が割り当てられて
  • なんやかんや経て自分の部署や自分の仕事にミッションが落ちてきて
  • ほんでそのミッションを「しょうがねえ!やってやるか!!」と「揺り動かされる」

 

この「揺り動かされ方」が、嫌なんですよね…

 

何が嫌かって言うと、まあようするに、凡庸的、凡人的なんですよね…

 

つまりほら、「その4」や「その5」でも書きましたが、働くっていうことに対して

 

  • 働くのは、義務
  • 働かすのは、会社の義務
  • 働くのは、食いぶち のため。
  • 働くのは、生きるため
  • 会社は、雇用を創るためにある

 

みたいな文脈なわけですよ

 

つまり

 

  • 働くのは、義務だし
  • 働かないと、生きていけないから
  • 会社のいう事を聞かないといかんから
  • このミッションをどうこなすかが、俺の「目標」なわけよね

 

という「受け身」な考え方になるわけだし、そこにDNAからしみだしてくる安定志向を掛け合わせれば

 

「出来るだけ効率よく安定的にこのミッションを終わらせるか」

 

というような思考になるのは自明なわけで

 

「やりゃあいいんでしょ。やったよほら。やりゃあ文句ないんでしょ。給料くれるんでしょ?(会社は雇用を創るんだから)」

 

というような感じになるじゃない。

 

こりゃあ、ここを「働き方改革」しないかぎり、社員はヒーローにはならんさ…

 

こういう命令と評価の制度を続けていれば、人はみな「仕事は効率よくパパっと終わらせて~」みたいなモノになるわけで…

 

いや、べつにそういう会社はそういう会社であっていいけれど、私は自分の会社を「ヒーローを創ることが上手くなる」会社にするための方法論として


 代表(齋藤:わたし)が、本能の呪縛(安定)から解放される

 

ことをどうやって、やり、そして

 

 「(みんなを)揺り起こす」

 

ことをやるのか? って話をしているのだから、これは、旧来の

 

  1. 会社から量的GOALを設定される
  2. 中間執行役が実行計画を練る
  3. 下位チームにノルマが割り与えられ、ノルマの実行を中間管理者が管理する
  4. ノルマの実行に対する目標と実績をベースに評価が決まる

 

って方法を、大至急、捨てて

 

  1. 「自分の成長」に興味をもちソノリテに入社する
  2. 会社で成長のチャンスを得て、チャレンジする
  3. 様々な経験の中で成長する、成長の場であるソノリテも結果として成長する
  4. したがってソノリテは、社員の成長を評価軸とする

 

という会社にせにゃならん、と、なったわけです。

 


■ではH・A・L評価制度の「H・A・L」とは

 

ということで、会社を

 

  1. 「自分の成長」に興味をもちソノリテに入社する
  2. 会社で成長のチャンスを得て、チャレンジする
  3. 様々な経験の中で成長する、成長の場であるソノリテも結果として成長する
  4. したがってソノリテは、社員の成長を評価軸とする

 

こんな会社にすることが、ソノリテが旧来の安定志向(パレートの法則の呪縛)から解き放たれ「ヒーローを創ることが上手くなる」会社になる方法論であると考え、

 

「H・A・L評価制度」というのを、つくったわけなんですけどね


ではH・A・L評価制度の「H・A・L」って何ですか~って部分ですが

 

こうです

 

 H:HERO
 A:AVERAGE
 L:LAYPARSON

 

HERO/AVERAGE/LAYPARSON、それぞれの頭文字をとって、「H・A・L」です。

 

社員をHEROと呼ぶってのは、ひとつ前の「その6」でふれました。

 

社員をHEROと命名することで、「揺り起こす」ということを、狙ったものです。

 

が、しかし、HEROだけじゃありませんで、

 

「H・A・L評価制度」では年に1度(当社は7月)に、社員をいわば格付けしまして、「H・A・L」にラベリングします。

 

それぞれの意味付けとしては、こんな感じなんです

 

  • HERO:(20xx年の)ソノリテにおいてアナタは文字通りヒーローです。ソノリテの改革的成長に寄与することを期待された存在です
  • AVERAGE:(20xx年の)ソノリテにおいてアナタは平均的存在です。もちろんアナタの存在によって会社は成立しています。アナタは大切な存在ですが、HEROを目指してほしいという期待もあります。
  • LAYPARSON:(20xx年の)ソノリテにおいてアナタは残念ながら下位の存在です。意志や目標をもって行動することを期待されています。

 

そしてこの「H・A・L」の格付けは、以下のような割合でラベリングされるという制度設計なんです。

 

  • HERO(全社員のうち20%)
  • AVERAGE(全社員のうち60%)
  • LAYPARSON(全社員のうち20%)


つまり「H・A・L評価制度」では、全社員のうち上位20%をHEROというようなラベリングをし優越感やら心理的安全性を受け取ってもらい、

 

逆に下位20%の人にはLAYPARSONという不名誉な格付けが行われることによって、全体に競争原理的な「揺り起こし」を…


「揺り起こし」を…


を…


ちょっとまて!

 

  • HERO:20%
  • AVERAGE:60%
  • LAYPARSON:20%


って、おい!!!


 おもいっきり パ レ ー ト の 法 則 やんけ!!!


 おもいっきり 働 き ア リ の 法 則 やんけ!!!!


こんなんで評価されたら、めっちゃ「安定志向」ちゃうんか!!!!


むしろ「凡庸な安定的な組織」を強固なものにしてしまうんちゃうんか!!!!

 

そう


そうなんです!!


そのあたり、次回以降に説明は続きます

 

 つづきます。まーだまだ続きます

 

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