HERO、人事評価、パレートの法則 その8

すみませんすこし時間あいちゃいました。

 

前回のブログ

 

saitoukazumasa.hatenablog.com

 

その続きです


胸を張れ♪

今こそ君は 本当のHero♪

このフィールドは 君が輝く舞台♪

流した涙 超えて ここに立つ♪

そのまなざしが 世界に勇気を与える Hero♪

【嵐「Hero」(2004)歌詞より引用】

 

 

そうですよね

 

Heroとは 何か?


 「世界に」「何かに」勇気を与える


それがHeroという存在なのではないでしょうかね?

 

では

 

 「勇気」とは何でしょう?

 

そこが、本当の、問題のような気がします。

 

 

 

パレートの法則を打ち破る

 

ここまでのブログで、私は

 

  1. パレートの法則(働きアリの法則)を打ち破りたい
  2. HEROだらけの会社にしたい
  3. HEROになるために皆を揺り動かしたい
  4. そのために会社の制度で社員HEROと呼ぶことにしました

 

ということを、説明して来ました

 

ですが、

 

  1. パレートの法則は本能に裏打ちされた強いもの
  2. 効率よく生きるための方法論が2:8の法則
  3. ゆとり世代は欲がない(HEROになりたがらない)

 

というネガティブな事実も、説明し

 

さらに

 

  1. 社内評価制度(H・A・L)では、上位20%の社員をHEROと呼ぶ
  2. ということは2:8の法則であり、2がHERO

 

と、前回言いました。

 


で、それはなんでか?

 


なんで、「パレートの法則(働きアリの法則)」を打ち破りたいと言っているのに、HEROは20%なのか?ですが、

 

そのネタばらしは、とてもシンプル。


パレートの法則を打ち破るのは、私ではない。


社員の皆さんだからです。

 

 

■社員の意思によって、HEROが増える


「その7」で説明したように、H・A・L評価制度では、社員を

 

  • HERO:20%
  • AVERAGE:60%
  • LAYPARSON:20%

 

と、分類します。

 

ここは思いっきり「パレートの法則」です。

 

そしてこの3分類は、***期中に覆されます。***

 

それが「チャレンジ制度」です。H・A・Lには「チャレンジ制度」があります。

 

チャレンジ制度とは、簡単にいえば「社員が自分で目標達成や成長をプレゼンし、昇格を勝ち取る制度」です。

 

社員は「チャレンジ」に成功することによって昇給、昇格します。

 

かつ、例えば「A(AVERAGE)」だった社員がチャレンジに成功すれば、「H(HERO)」に、なります。

 

つまり、H/A/Lそれぞれの分類と、チャレンジによる昇給昇格は、疎な関係をもっている状態です。

 

簡単に言えば、例えば

 

  • 会社にHEROと認定されても、チャレンジしなければ昇給昇格は、無い
  • 会社にHEROと認定されなくても、チャレンジして成功すれば、HEROにもなるし、昇給昇格にもなる。

 

という、制度なんです。

 

また、LAYPARSONに関しては

 

  • 会社にLAYPARSONと認定されても、チャレンジして成功すればAVERAGE(やHERO)にもなれる。昇給昇格もある
  • LAYPARSONと認定され、チャレンジしなければ、降給降格になってしまう。


という制度でもあります。

 

実際はもうちょっと複雑ですが、まあ、こんな感じです。


これを期中、繰り返します。


そうすると、どうなるか…(まあ、これは、予想ですがね…今年から始める制度なので)


AがHを目指し、LがAを目指すという単純明快な構図が生まれ、一年が過ぎると

 

 HEROが20%以上となり
 LAYPARSONが20%以下となっている

 

そういう組織に、明示的になっている。


そしてそれは「H・A・L認定」と「チャレンジ」の疎な結合が、社員が自ら「パレートの法則」を打ち破るエンジンとなり、


かつ「H・A・Lラベリング(認定)」が、組織がパレートの法則を打ち破っている量的指標となるわけです。

 

よく、考えられているでしょ?

 

 

■そして毎年リセットする。

 

そしてこの「H・A・Lラベリング(認定)」ですが、毎年リセットします。


つまり一年を通して、会社が

 

 HEROが20%以上となり
 LAYPARSONが20%以下となる

 

という「理想的な状態」になったとします。例えば

 

  • HERO:40%
  • AVERAGE:50%
  • LAYPARSON:10%

 

くらいになったとしましょうね

 

すごいじゃないですか?社員の40%がHEROだなんて!


でもですね、一年たったら、これをあっさりとリセットし、また

 

  • HERO:20%
  • AVERAGE:60%
  • LAYPARSON:20%

 

と、あらたな認定を行います。
(当社ではこれを毎年7月1日に実施する予定です)

 

ヒドイですよね

 

でも、やります。

 

狙いは簡単な話です。


以前話しました通り「凡庸な安定的な組織」にしないため、です。


毎年リセットすることにより

 

  • HEROは「毎年HEROになるために」努力をするし
  • AVERAGEも「来年LAYPARSONにならないよう」な緊張感が持てる

 

そういう、事です。


この「リセット」が、非常に重要なんです。


「リセット」出来るラベリングがあるからこそ、「凡庸な安定的な組織」から抜け出せる仕組みになっているわけです。

 


■会社組織への違和感:ラベリングと給与の連動

 

私が過去所属していた、日本の伝統的な会社(比較的大企業に分類される会社)では、ラベリングと給与が連動していました。

 

ここでいうラベリングとは、


 「会社はあなたを評価していますよ~その称号をあなたに与えましょうね~」っていうものです


だいたいの会社では、今でも「役職」ってやつが、このラベリングの機能をもっていると思います。


 主任、課長、グループリーダー、主査、部長、本部長、専任なんちゃら~


これらのラベリングは、社員が努力をし、会社の評価を得たことを対外的に示すことが出来るラベルです。

 

そしてこれらは給与と連動し、かつ組織体系、権限等とも連動していました。

 

ですがこの役職ってやつは給与や権限と連動しているとなると、これは、めったに動かすわけにはいきませんね。日本の労働法的な制約も出てきます。

 

ベンチャー企業なんかですと、「リーダーがすぐ異動になる」とかそういう緊張感はあるかもしれませんが、逆にいろいろな不都合も出てきます。

 

あまり動かせないとなると、あんまり「お気楽に」与えらえるものでも無くなってきます。

 

「去年頑張ったから今年課長やってよ。来年は降格になるかもしれんけどね」ってわけにもいきません。権限の付与ってそんなモノではありませんし、ある程度タフネスを持ち合わせていないとモチベーションが心配です。

 

と、いう事は、やはり会社が「凡庸な安定的な組織」になっていくんですよね。


だってそうですよね?

 

日本のほとんどの会社って、一度「課長」になったら、めったなことでは降格したりしないですよね?

 

少なくとも一年単位で上がったり下がったり、そういう危機感は、なかなか持てないですよね?

 

そういう組織って、どうなるか?私の考えでは、「パレートの法則」的な「効率」が発生し、「安定思考」が発生する


本来「会社からの期待を込めての昇格」というラベリングが、むしろ

 

 「まあ上がったし、しばらくは頑張ったところでさらに上がれはしないだろう」
 「むしろ失敗して降格しないように、あまり目立たずにいよう」

 

という本人思考が生まれるでしょうし、評価側も「一度評価していしまうとなかなか下げることは出来ない」となれば

 

 「まだ早いのではないか」
 「本当に大丈夫か」
 「子供がまだ小さいから、無理できないのでは」

 

などと、評価することに「ためらい」が出来てしまう


そんな組織の評価制度で、硬直したラベリングが生み出す社員意識の中で、HEROが生まれるわけが、ない。


つまり安定思考を「創造的破壊」するために、H・A・L評価制度では、昇給昇格と疎な結合をしているH・A・L認定を、定期的にあえてリセットするわけです。

 


よく出来てるでしょ?


これが「揺り起こし」の根底です

 

これがソノリテの「H・A・L評価制度」です。

 

 


胸を張れ♪

今こそ君は 本当のHero♪

【嵐「Hero」(2004)歌詞より引用】

 


そうです。

 

今年あなたは、本当のHEROです。胸を張ってください!

 

でも来年は、わかりません…

 

 

はい。まだ続けます。次回以降にネガティブな側面の説明を少し補強します。