タイトルは、進撃の巨人のリヴァイ兵長による名言(迷言と評価する人もいます)です。
指揮官であるリヴァイが、部下であるエレンに対して、「指示をせず、自己判断を促す」わけですね。
これを「リヴァイの職務責任放棄」と取る人もいます。
(詳しくは「進撃の巨人」をお読みください)
この「自分で選べ」の前のリヴァイの台詞は、こうです
「俺にはわからない、ずっとそうだ」
「自分の力を信じても、信頼に足る仲間の選択を信じても」
「結果は誰にも分からなかった」
「だから、まぁ精々」
「悔いが残らない方を自分で選べ」
兵長であるリヴァイが、「俺は(どちらが正しいか)ずっとわからない」と、言っています
もしあなたがこの人の部下だったら
「そんな事言わないで指示をくれよ~」と思いませんか?
・あなたが上司なんだから
・あなたが先輩なんだから
・あなたが責任者なんだから
・あなたがここに連れて来たんだから
そんな風に思って、「指示を出せない上司」を「情けない」「責任感がない」「経験不足」なんだかんだと、思いませんか?
だからこのリヴァイの台詞を、「迷言」と捉える人が、いるのでしょうね
だって軍隊ですもの。軍隊っていうのは上官の命令が絶対。命令のなき作戦はないって、アベンジャーズでキャプテンアメリカも言ってた。確か~
さて、ちょっと別の話
昨日から本日、2016年1月23日から24日にかけて、全国的に大雪と言う予報があったので(実は関東では雪にならなかったのですが)、
私は外出の予定を入れずに、撮りダメしていたビデオを、観ていました
そこで、以下2本の、別の主張をもったテレビ番組を観たのです
・一つは、起業家の有名人、家入一真さんを特集していた番組
家入さんの主張である「嫌なら逃げろ」を軸とした話
・もう一つは、「しくじり先生」一億円の借金を背負った某タレントが、
逃げずに奮起して、何年もかけて借金を返す話
「嫌なら逃げろ」の方は、世の常識やイジメなどのプレッシャーなどの重圧から逃げ、自分らしく居られる場所を提供するという、家入さんの哲学が原点にあるお話。
現代は自己責任型の競争格差社会化が進んでいますから、プレッシャーに押しつぶされ、自己嫌悪から自死するなどの結論に至る若者が少なくなく、いわゆる「ひきこもり」から企業家として成功なさった家入さんがリバ邸などを用意し、若き苦悩人に居場所を提供しているという活動に対しフォーカスした番組でした。
「しくじり」の方は、人の良さから他人の借金の連帯保証人として始まった借金が、みるみる1億円まで積上がってしまったものを、「家族を悲しませない」という一心で奮起し、いろいろな人に助けられながら、逃げずに立ち直ったという実話を、面白おかしく紹介した番組でした。
これですね
>家入さんのは、なんというか、逃げ寛容系癒し論とでも、いいますか
>しくじりのほうは、これは、逃げないで戦った武勇伝って、感じでしょうか
1)まず「挫折や失敗やプレッシャー」があり
2)それから「逃げていい。きっと他に居場所はある」と、考えるか
3)それとも「逃げちゃダメだ。負けるな戦え。諦めない人が最後に笑う」と、考えるか
本当に、どっち(「逃げろ」も「逃げるな」)も、それぞれに素敵なお話なんですよ~
さてここで、私の話をしますと
私はどちらかというと、精神的にマッチョな思考を取るほうです。
1)失敗を恐れず進め
2)痛み失くして成功なし
3)諦めずにやり続けた人間に勝機はやってくる
こういった考え方に、快感や成功体験を持つほうです。つまり「しくじり先生」スキ。
でも、本当はどうなんですかね?
例えばですが、私みたいなマッチョタイプの人間が、家入さんのリバ邸に行って、挫折したり、プレッシャーから逃れたくて集まってきた子達に、
「逃げるな戦え。自分の世界は自分で作れ。戦い方なら教えてやる。お前のその逃げグセを性根から叩き直せ。話はそれからだ」
とか言ったら、どうなるのか?
みんな鬱病になったり、ひどい場合自殺したり、するのか
・・・いや、そうとも、言いきれない
いろんな人が、いろんな風に、物を考えていて、いいわけですよね?
つまり私が怒鳴ったところで、誰がどう、どのように感じ、その後の人生にどう影響するのかなんて、人それぞれ、色々あるわけだから
つまり正解なんて、ない
それぞれの「判断」が、あるだけです
私たちは生きている過程で、様々な判断をします。
そしてその「判断」は、教育や経験によって、習得してきたものです。
言うなれば「判断の集合」が、「個性」なんじゃないかと思います。
過去、私たちがどのような経験をし、どのような事を学び、そしてどのような判断をするような人間になったかということが、「個性」です。
だから「個性の発揮」は「判断の発揮」とも、言えます
言い換えると「判断をさせてもらえない状況」とは「個性が発揮できない状況」という事です。
わかりますよね?
制服のある学校では、毎朝、今日着て行く服を判断する(決定する)という事由がない。
つまり個性が発揮できない。ここがポイントなんです
制服があると、他人と別の服が着れないから、個性的じゃない・・・のでは、ないんです。「自分の判断が通用しない」から、個性的じゃない。
だからタイトルのセリフ
「悔いが残らない方を自分で選べ」
は
「お前の個性を発揮しろ」
という、セリフなんだと、私は思うんです。
ここまで、纏めます。この2文。です
・正解なんてない
・お前の個性を発揮しろ
さてここに、もう一つモノサシを加えるべきだと考える人がいるかも知れません。
それは、判断というアクションを、組織(集団)が求めている話なのか、それとも個の生き方の話なのか、というお話です。
ちょっと古い概念のまま、あえて説明しますが
例えば軍隊や会社などの組織において、各個人がワガママに自分の個性を発揮して自分のルールで動いていたら、その組織はおかしくなる。やはり命令に忠実であるべきだ
反対にアーティストのような個性重視の仕事をしているひとが、人からの命令を待つような没個性型では、なんの活躍も期待できないのではないか
というポイントです。
つまり人は、個性的(判断出来る)、没個性的(判断出来ない)どちらであるべきかと言う問題において、集団に属しているか居ないか、がかかわってくる
(リヴァイの例でいえば、あれは軍隊だから、やはり、リヴァイは命令を下すべきではないのかという話)
そのポイントまで踏まえるとですね
今まで話をしてきたことが、4パターンに分類されることに気が付くんですね
パターン1:追い込みタイプ
1)組織や学校などから逃げるな(マッチョ)
2)親や社会のいう事を聞け(没個性)
これは親が、学校にいって良い会社に勤めろ!というようなものですね。強さを求められるが、個性は求められない。大企業で成功するタイプかも
パターン2:ストイック成功者タイプ
1)ストレスから逃げるな(マッチョ)
2)常識を疑え自分を信じろ(マッチョ)
これは自分で自分を追い込めるアーティストや、企業家など。没個性で成功することに必死になっている人。
パターン3:癒し系オンリーワンタイプ
1)逃げて良い(癒し)
2)自分の可能性を信じて探せ(マッチョ)
これは社会の枠に自分があてはめられないけど、何かに猛烈に熱中しているタイプ。天才タイプってヤツかも知れない
パターン4:甘えん坊
1)逃げて良い(癒し)
2)誰か教えて、誰か食わして(没個性)
これは思考停止状態ですかね。良く言えばモラトリアム。悪く言えばヒキコモリ。
さあこう分類してみました
さあ
私の考えでは
例えば家入さんの考え方は、
パターン1のストレス状況(逃げるな、言う事を聞け)で追い込まれている人に、いったんパターン4の「場」を提供し、最終的に、パターン1、2、3のどれかにしてあげようっていう事なんじゃないかと思うんですよね。
(番組をみたり、twitterなどから情報を得ているだけですので、間違いかも知れませんがご容赦)
ここで問題なのはパターン4を知ってしまうと、パターン3くらいしか、人間として回復出来ないのではないかと言う疑問なんですが
つまり自分をストレス状況に追い込む必要などないというパターン4空間の承認を受けてしまっていると、ストイック型には戻れないのではないか
という錯覚
それってつまり「人は状況に甘える」という問題なんですけれど・・・
残念ながら
私は理念では人を信じていますが、現実には現実の人達に裏切られてばかりです。本当にみんなガキで、だらしがなく、美学をもっていない
実際私は、パターン4の人達が、「俺ら実は才能ある」って言っている事に、何度も裏切られてきました。
つまり私は、そのような経験から、パターン4の世界に行ったら、皆さんに私の美学をもって私は愛をもって説教するでしょう
「逃げるな戦え。自分の世界は自分で作れ。戦い方なら教えてやる。お前のその逃げグセを性根から叩き直せ。話はそれからだ」
(先ほどのコピペです)
でも、その反面で
本当に心から信じられる人がいて(当社にもいます)、いや、もうちょっと大サービスで、「信じたい人」がいたら、こう言います
「悔いが残らない方を自分で選べ」
つまり人は、いつか、パターン4から脱出しなければならない。
パターン4のまま、借金を1億円作ってしまう人は、家族の一言で、自分をストイックな人間に押し戻せた
学校のイジメに耐えられずに引きこもり(パターン4)になった青年は、自分で街を出て(逃げて)、さまざまな出逢いをへて、企業家になった
パターン4からは脱出しなければならなない。それはもう、みんなわかっています。
が、しかしその先にパターン1(例えばこれは社畜)、パターン2(例えばストイックなプロ)、パターン3(例えば何かの才能で社会を舐め切ったまま一攫千金)、どのようなストーリーで、どうなるか、
その正解はわからない
だから
沢山の考え方があり、沢山の状況(パターン1~4)があり、それぞれの人達は、どのような考え方によって、相手にどのような感情をもっているのか
それらが一堂に会している多様性を、私は自分の会社に構築したい。
そしてそれらの間を各社員がコミュニケーションし、かつ行きかい、さらにそれらが全体的には生産的な方向に成長していくというテーマに取り組んでいるつもりなんですね。
(つまり例えば疲れている人にはパターン4の場を提供できるような多様性があるべきだと思っています)
それは社員においても、様々なパターンに存在する社員達が、それぞれに衝突し、時に傷つけあったりして、それでも多様に個性を発揮しながら、
当社は個性の発揮による衝突が、それぞれの状況や考え方に対する尊重を前提として、つねに多数起っている会社に、したい
それが社員の皆さんの脳を常に励起する多様性の状況であると考えているから、多様性の中において常に考えの相違に触れ、自己判断を求めらえている組織にしたいわけです
だから、リヴァイの話に戻すと
うちの会社では(これも前述のコピペ)
・あなたが上司なんだから
・あなたが先輩なんだから
・あなたが責任者なんだから
・あなたがここに連れて来たんだから
「そんな事言わないで指示をくれよ~」
なんて思っている社員が、あまり、いてほしくはないですね
(だけど、もういちど言いますが、私は理念では人を信じていますが、現実には現実の人達に裏切られてばかりです。本当にみんなガキで、だらしがなく、美学をもっていない。)
当社の社員さんへ
私に
「答えはこうだ。だからこう指示する」
と、言われたら、もっと頑張りましょうね
私に
「お前はそう言うけど、こういう意見もあるよ」
と、言われたら、見込みあり。一緒に多様な人々の考え方の中で自分を磨きましょう。私は指示はしません。逆の考え方もあるよということを見せていきます
私に
「悔いが残らない方を自分で選べ」
って、言われたら、
たぶんあなたは、当社の救世主(つまり巨人)ですね~www
ちなみに当社株式会社ソノリテの今期スローガンは「悔いが残らない方を自分で選べ」です。
今期中に私に「自分で選べ」と言われる人は、何人出て来るのかな~ 笑