数値目標とマネジメント

この10月から、株式会社ソノリテは第六期に入りました。


第六期の計画を立てるにあたり、売り上げの目標などを設定しています。


この、数値目標ですが、


数値目標と立てるとき、皆さんは、どんな気持ちで立てますか?


いくつもの「気持ち」が考えられます。


例えば


 ・少し難しい、大きめの目標を立て、チャレンジする気持ちを起こそう


という人もいれば


 ・絶対に目標達成することを約束するために、実効性のある数字に留めておこう


という人もいるでしょうね


また


 ・例え出来るとは思えなくても、会社の期待する数字を目標として掲げておいて、あとで出来なかった理由を探せば、「俺としては達成できそうだったんだがやむを得ない理由で未達成になった」と言えそうだな


とか


 ・低めの目標を、めちゃくちゃ達成が難しそうに言っておいて、それで通れば、今年一年は楽が出来るな


というような考え方も、あるでしょう。


後半はあまり、会社人として尊敬できる姿とは言えないかも知れませんが、人それぞれ働く理由も、モチベーションも様々に違いますから、きれいごとばかりで会社が成立するとは限りません。

 

後半のような考え方も受け入れて、それでいてエンパワーメントが最大化するようなマネジメントをすることが、必要です。


マネジメントすべきポイントは「考え方の良否」ではなく、「考え方の違い」です。


 Aさんが率いるαチームは、「無理っぽい目標に向けて精一杯努力」チーム


 Bさんが率いるβチームは、「確実に約束は守る」チーム


それぞれのチームが、目標値(例えば年間売り上げ個数)を


 Aさんチームが100万個


 Bさんチームが100万個


と、設定してきたら、皆さんだったらどうしますか?


まず、Aさんチームに


「お前たちはいつも無理な目標を立てすぎる。目標値を80万個にして正確なアクションプランを持ってこい」


と、言いますか?


また、Bさんチームに


「お前たちはいつも絶対に出来る目標しかもってこない。たまには無理めの目標を立てて、チャレンジする気持ちを持ったらどうだ」


と、言いますか?


また、例えば、目標に向かって活動し始めて半年経ったときに


 Aさんチームが予定50万個に対して45万個の売り上げ


 Bさんチームが予定50万個に対して45万個の売り上げ


だったら、どちらにどう、対処しますか?


あるいは


 Aさんチームが予定50万個に対して60万個の売り上げ


 Bさんチームが予定50万個に対して60万個の売り上げ


に、至っていたら、どちらをどう、評価しますか?

 

さらに最後に、結果として


 Aさんチームは目標100万個に対して110万個を売り上げた


 Bさんチームが目標100万個に対して110万個を売り上げた


としたら、どちらをどう評価しますか?(同じ評価ですか?)


あるいは


 Aさんチームは目標100万個に対して100万個ぴったりを達成した


 Bさんチームが目標100万個に対して100万個ぴったりを達成した


場合


逆に


 Aさんチームは目標100万個に対して90万個しか達成できなかった


 Bさんチームが目標100万個に対して90万個しか達成できなかった


場合、など


さらに、


 AさんチームとBさんチームの目標値がそもそも違う場合


また


 AさんチームとBさんチームがやっている仕事の内容が違う場合


それぞれ、どうしますか?


(ちなみに現実の会社経営の場合、“チームごとに目標値も仕事の内容も違う場合”がほとんどです)

 


色々な、マネジメントの学問で


 ・高めの目標値を立てて、限界を突破しよう


とか


 ・現実的な成果を数値換算し、プロセスを具体的に評価しよう


などと書いてあったり、しますが

 

ようは性質によって使い分けなければ、意味が無いように思うんです。

 

ちょっと単純に言えば

 

 高めの目標を立てれば燃えるチームには、高めの目標を設定すればいいし、達成しなかったことを、叱咤してはいけない

 

 現実的な数字を立てるチームには、達成自体をゴールとせず、どうやってストレッチする気持ちを出していくかを、模索していけば良い(チーム自身も、本来❝出来そうな数字をやっているだけ❞という意識があるのだから)

 

 というように考えを分けて、パフォーマンスを上げていくマネジメントをすべきだと思います。

 

つまり私は


 数値目標 × (チームの性質 × マネジメント) = パフォーマンス最大化


と、なるようにしないといけないと、思っています。


 数値目標は、パフォーマンスに対してプラスにも働きますし、マイナスにも働きます。


 特に、経営や顧客などからの要求が、チームの予想能力よりも高すぎる場合、数値目標がストレスのようになって、パフォーマンスを低下させる要因になりやすいと言っていいと思います。


 ただだからといって、無暗に数値目標のような指標を取り除いてしまうと、経営の舵がとれなくなります(現在地がわからなくなると言っていい)


 したがって、最悪でも数値目標は「必要悪」として存在しなければならない、と、するならば


 数値目標に対しチームの性質を裸でぶつけて、追い込み型で管理しようとすれば、そのストレスからチームは自己防衛型思考法(低めに設定してサボろうなど)に入りますから


 チームの性質に従ったマネジメントを行う事で、パフォーマンス最大化を測っていくべきだというのが、私の意見です。

 

 で、ここで問題なのが「チームの性質」とは何か? ですね


 先の例題では、例えば、「高めの数値設定をしがち」「現実的な内容におとしがち」などがそうですが、もちろんそれだけではありませんね。いろいろあります。

 

 ここでは沢山ある性質については置いておいて、私が言いたいのは、


  「チームの性質」を理解するには時間がかかる


 と、いう事です


 でも、私のマネジメントは、たとえ時間がかかっても、チームの性質を見極めて、その性質に即したマネジメントをすることが極意だと考えています。

 


 もちろんマネジメントには色々な方法があります


 契約やルールで人間を縛り、その上でパフォーマンスを出させる方式のほうが効率的で、現代的かも知れません。


 その場合「数値目標」とは「会社との契約」です。私が先に表現したものとは全く異なりますし、そこに存在するのはコミットメントと罰則のみですのでマネジメントもシンプルです。


 この考え方の場合、計算式は

 

 数値目標 = パフォーマンス(結果)


 のはずですね。すごく、簡単です。

 

 ここではマネジメントはパフォーマンスの外にあります。パフォーマンスが出ないチームは契約違反ですので大替え品に交換されるか、ペナルティを背負う事になります。チームは契約上に存在するペナルティを回避するために努力をするか、その組織を去るかのどちらかを選ぶことになります。

 

 でも、私が考える「社員の成長を理念の核とした、共鳴指向経営」では、社員それぞれ、チームそれぞれの性質に着目し、マネジメントすることが最も肝となります。したがって数値目標についても


 数値目標 × (チームの性質 × マネジメント) = パフォーマンス最大化


このような前述の式で考えるわけです。

 

 ソノリテは、


  適材適所経営


 かつ


  社員の長所を伸ばして仕事をする

 

ということが、社風としてあります。

 

つまり「性質」に即したマネジメントが必須となります。そしてその性質に即したマネジメントが出来たならパフォーマンスが最大化します

 

しかし

 

 大 変 で す(笑)

 

特に、管理職が大変です

 

ソノリテの管理職の皆さんは、常にチームやメンバーの性質に眼を向け、仕事のマネジメントを考えます。

 

 と て も 大 変 で す(笑)

 


でも、

 

それが当社の理念ですし、私たちの職場の明るさに繋がっているんです。

 


あなたの会社が

 

 ・数値目標が達成できないし、達成しようとも思えない


 ・職場が暗い


 ・自分がやりたい事と仕事があっていないと感じる


のなら


それはマネジメントの性質が問題だと思うのですね。当社の共鳴指向経営はその改善策の一例だと考えています。